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【データ分析】
弁護士の所得の範囲は、大きく二つに分かれます
所得のある者3万3671人、損失のある者(別掲)7632人
更に、所得のある者が、各範囲に分けられています*1
1最頻値:損失のある者 7632人
2番目:0~70万円 5501人
2中央値:550万円(500万1円~600万円の範囲)(2万2002番目、小数点以下四捨五入)
同範囲(2316人)の中でも400万1円~500万円(2万1511人まで)側に寄っている
3平均所得
所得のある者の平均 1040万0703円
損失ある者の平均 ー136万6876円
4離れ値を外した平均所得
☆(Q1 - 四分位範囲×1.5)
(Q3 + 四分位範囲×1.5)
を離れ値とする
☆Q1は0~70万の中間値35万
Q2は500万1円~600万の中間値550万
Q3(3万3003番目)は1000万1円~1200万の中間値1100万
よって四分位範囲は1099万9965(円)
1099万9965×1.5≒1649万9948(小数点以下四捨五入)
☆35万ー1649万9948=-1614万9948(円)
-136万6876>-1614万9948(円)
Q1を起点とした場合、排除すべき離れ値はない
☆1100万+1649万9948=2749万9948(円)
2749万9948<30000万1(円)
以上より、3000万1円の範囲以降を離れ値とする
☆離れ値を除いた所得のある者の平均所得額は、797万4615円(別表)
(別表・mizunonamboku作成)
【雑感】
☆1億1円~2億は328人、~5億は92人、~10億は12人、~20億は3人
☆年収300万円までの1万7505人の合計所得・損失合算のマイナス4億余円よりも、トップ3人の合計所得45億円のほうが、49億円以上多い
確定申告をした弁護士は4万1303人*2なので、上位0.007%の弁護士が、下位42.3819%の弁護士の所得を超える
5億1円から20億円までの15人の合計所得135億円は、所得400万円までの1万9400人分の合計所得61億4795万円よりも約73億円以上多い、すなわち上位0.036%の所得が下位46.969%の所得を超える
2億1円から20億円までの107人の合計所得457億円は、所得700万円までの2万5934人分の合計所得420億8295万円よりも36億1705万円多い、すなわち上位0.395%の所得が下位62.7896%(過半数、約3分の2)の所得を大きく超える
☆これだけ格差が開けば、固定化は一目瞭然
☆しかも、ある弁護士が業績不振で転職すると、その弁護士に割り振られていた法テラス事件など不採算案件は他の弁護士に割り振られ、貧困のドミノが起きます
☆業績不振の会社が早期退職制度を導入すると、優秀な人から辞めます
構造不況の弁護士業界でも、株高やコモディティ高が割り増し退職金と同じ効果を持っているため、優秀な人から抜けていることは否めません
☆今後の見通しは、貧困のドミノと、やや余裕のある層の請求退会続出により、弁護士の所得の中央値と、離れ値を除いた平均所得は、下がり続ける、というものです