10 Percent Happier

英検1級保持者:ペトロフかスタインウェイ(ヨーロッパ)欲しいなぁ・・・

Fri. Oct. 20th, 2023: ドイツのハイパーインフレ・・・手押し車の時代(ちょうど100年前)

今朝起きて、田中貴金属をチェックしたら、金1グラムの販売価格1万0509円

年初は7000円台でした

目を疑いました

しかし、これは私の平和ボケでしょう

 

ドイツが第一次世界大戦(1914~1918年)敗戦後、ハイパーインフレを経験したことをご存じの方は、多いでしょう

例えば、卵10個は、1920年から1923年の3年間で、3.9マルクから3兆マルクに値上がりしました

日本で1パック300円の卵が、3年後に300兆円になっているというような話です

 

それで、子供の金持ちごっこかみたいな、変な紙幣も発行されました

 

こちらは桁はおかしくない

50兆マルク紙幣です

特に1923年10月は激烈で、1か月間で2万9500%、約300倍のインフレに見舞われました

 

これでは札束よりも薪のほうが高いので、薪代わりにお金をもす市民が続出

 

A woman in Berlin burns devalued marks instead of fuel

家の修繕では、壁紙のほうが高いので、お札が壁紙代わりになりました

A man using marks as wallpaper

 

おもちゃよりも札束のほうが安い

ブロック遊び

凧あげ

 

工作にも使えます

 

それでも札束を買い物に使うならば、財布には入らないので、手押し車に乗せていくしかありません

 

お店では、こんなものを受け取っても持て余すだけなので、食べ物を使った物々交換が普通に行われるようになりました

右側の広告は「食べ物との交換で修理・売ります」

 

収入もつられて増えるならばいい

しかし、インフレ率にスライドして給料が上がるのは閣僚だけ、という記事が、当時のドイツの新聞にありました

 

為替取引でいえば、1923年1月にはそれまでのインフレの影響ですでに1ドルが1万7000マルクにまで減価しており、さらに同年12月には4.2兆マルクにまで落ちました

 

もはや壁

A man standing next to stacks of German marks at a Berlin bank

 

最終的に、市が燃えるごみとして集め、焼きました

 

コインは無価値とはいえ燃やせないので、コメディアンの衣装になったりしました

「インフレの王様」

 

すさまじい

まったくすさまじい

 

原因は複合的

戦時中の戦費調達のためにお金や軍票を刷りまくったこと、戦後賠償で富が他国に流出したことなどがあげられています

 

ただし、第一次世界大戦中に金本位制が外され、通貨供給量のリミットがなくなったことが、大前提にあります

 

ちょうど100年前の出来事です・・・