小学1年生のとき、同じクラスに、片手の小指と薬指のない男の子がいました。
私の記憶では、それは右手であったようです。
その男の子は、
「指切りげんまん♪ あ!小指がな~い!!!」
などと笑いながら、みんなの笑いを取っていました。
「なぜ小指と薬指がないの?」
「小さいとき、お父さんの仕事場に遊びに行ったとき、〇〇(町にあったスーパー)のお肉を切るところだったんだけど、ぼくがお肉を切る機械に手をだしちゃって、指が飛んじゃったんだ・・・」
「い、いたーい!!!」
その子が、小学校から入学して半年もすると、あまり笑わない子になってしまいました。
暗くて、不機嫌で、口数が少なく、乱暴で、反抗的で、先生に嫌われる子になっていきました。
そして、2年生になる前に、どこかに転校していきました。
連絡先は、誰にも教えてくれませんでした。
いろんな家事事件を経験した今なら、わかります。
たぶん、お父さんの収入が少ない。
お母さんも小さな子供たちを抱えて働けない。
上の子は小学校に入る。
もっとお金もかかるようになる。
夫婦喧嘩が増え、親たちが子供たちにあたることも増える。
子供たちは悲しくなって不機嫌になる。
勉強だって気が散ってできない。
そして、夫婦は別居(離婚)、子供たちはどちらかの親の実家に引き取られていったのでしょう。
お友達にも行き先を告げずに・・・
あの男の子は、今年のクリスマスを、幸せに過ごしているでしょう。
家族と温かく過ごせているでしょうか。
そうであってほしいです。