TREAT YOURSELF

youtubeに移行中です

アフガニスタン、タリバン、中東アフリカ地域

2021年9月、アフガニスタン情勢について調べたことを、20個くらいに分けた記事にしました

このときの脱出方法に関する7つの記事を除き、残りを1記事にまとめます

 

 

1 誰がタリバンを生んだのか?

アメリカが目の敵にしているタリバンですが、タリバンを生んだのはアメリカです

これは意外に知られていない事実なのですが、タリバンを生み育てたのは、1980年代後半から90年代のアメリカ中央情報局CIAです

陰謀論ではなく、国際政治における常識です

youtu.be

 

2 アメリカ軍がアフガニスタンを撤退した理由
(1)軍人・退役軍人のメンタルヘルス

過酷な地域ですから、メンタルがやられるのは当たり前のことです

 

(2)米国の納税者の関心低下と負担軽減

選挙の得票稼ぎにならないなら、政治家としてはそこにリソースを割く意味がありません

 

(3)米国の対中政策の強硬化

一帯一路(BRI)にかかる地域の治安を整えることは、米国の犠牲で中国共産党の勢力範囲を拡大してあげているようなものであり、ばかばかしい

一路一带路线图高清版_中国地图查询 (ps123.net)

f:id:mizunonamboku:20210816123517j:plain

 

(4)アフガニスタンの恩知らず、あるいは腐敗

タリバンは、食糧援助や貧困対策や農業支援でさえも、侵略行為とみなしていました

そのため、例えば、アメリカ軍がタリバン支配地域だったアフガニスタン北部に空から救援食料を投下すると、タバンはこれを回収して燃やしました

燃やすならばまだ証拠が残りますが、アメリカの傀儡政権でも、欧米からの巨額の支援が、どこかに消えていました

日本も2001年から2012年だけでも合計4188億円、特に教育支援では1428億円を支出しました

外務省: アフガニスタンに対する日本の支援パッケージの実施状況 (mofa.go.jp)

しかし、穴だらけのテントみたいな学校も多いのです

 

欧米は、アフガニスタンの実態を知れば知るほど、やる気がなくなっていきました

 

(5)アフリカのマリ(Mali)も似ている

アフリカのマリも、上層部が、国際援助を横領し、中国からのわいろを受け取る

国民生活にもわいろが深く根差しています

 

youtu.be

 

youtu.be

 

そのため、フランスは撤退しました

Why France is losing its 'Great Game' in western Africa | CBC News

 

アフガニスタンからのアメリカ軍撤退について、バイデン大統領を非難する向きもあります

が、後進国と中国の「おいしいとこどり」に愛想をつかした欧米各国のサヨウナラの一環です

 

3 中国

中国共産党

「中国以外の誰かがアフガニスタンの治安維持をして、自分は金もうけに専念する」

という方針

 

2021年6月中旬、中国共産党は、安全保障会議を開いて、アフガニスタン問題について、次の3つを決めました

①「撤僑」(アフガニスタン在住中国人の撤収)

②「促和」(アフガニスタン政府とタリバンの和解促進)

  ただし何もせず

③「軍演」(アフガニスタンからテロリストの侵入を防ぐ為の軍事演習の実施)

  これを口実に、今後も新疆ウィグル自治区での弾圧を強化するでしょう

 

①のスケジュール

6月21日と25日、中国外交部は中国人に対し早期帰国を勧告

7月7日、中国政府はチャーター便をアフガニスタンに派遣

7月末、帰国希望の中国人の撤収が完了、アフガニスタン人協力者は一切引き取りませんでした

 

日本の親中派の人たちも、いずれこうやって切り捨てられるのでしょう

 

4 日本
(1)邦人救護

2021年8月17日、日本人大使館員が英軍機でアフガニスタンから無事出国したのを見て

「民間人を見捨てたのか、満州の再来か」

と、心配する人がいました

たしかに、戦前、国は満州への移住を促進したあげく、166万人(満蒙終戦史)の邦人を見捨てました

しかし、今回は全く別物です

(時系列)

・2007年、日本政府は、アフガニスタンの邦人(当時は合計約160人)に退避勧告

・2008年8月26日、ペシャワールの会の伊藤和也さんがタリバンに殺害され、日本人の多くが帰国(タリバンの言い分は「彼がやっていた活動は侵略行為だから」)

・2019年12月4日、中村哲さんが武装勢力に殺害されたことをきっかけに、現地人と婚姻し帰国意思がないというような特殊な人を除いて、日本人のほぼ全員が帰国

・2021年8月末、日本人民間人1名が自衛隊機で帰国したため、現在もアフガニスタンにいる日本人は片手指に入る程度です

そのうちの一人が日本のマスコミのインタビューに答えた内容は次の通りでした

・7月中、何度も、日本大使館から、アフガニスタン出国を促す電話連絡がありました

・しかし、私は、直接の攻撃対象にならない限り、帰国しない、と伝えました

 

これだけ丁寧な対応をしていたのです

日本人救助に関しては、在アフガニスタン日本大使館の対応は、立派でした

 

なお、アフガニスタン統一教会の関係には注意が必要です

この先の在アフガニスタン統一教会信者のフォローは、カルトを放置し増長させている韓国が責任をもってやるべきでしょう

アフガン美談の陰に統一教会の“灰色の支援”:Foresight | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト

 

(2)協力者救護

問題は、アフガニスタン人協力者へのフォローの悪さです

2021年8月半ばまでの政府・本省の認識は

「民間人は自己責任」

「現地協力者?何言ってんの、こっちが現地に協力してあげてるんだよ」

「8月17日に日本人大使館員が英軍機で全員退避したことで十分」

というものでした

ところが、韓国が472人を救出目標として発表(実施は390人)するや、8月23日になって

「日本も自衛隊機を送る ー こっちは500人以上だ!」

と、豹変しました

しかし、タリバンが国内移動を規制していたため時すでに遅し、日本に協力していたアフガニスタン人は一人も救出できず、アメリカの計らいでアメリカ関係者14人を搬出しただけでした

 

タリバンは欧米日への協力者に辛辣なので、協力者らは命の危険にさらされています

 

5 アフガニスタンの女性問題

もともとアフガニスタンでは、医師の40%、教師の70%、公務員の50%が女性でした

が、1996年9月27日、タリバンがカブールを制圧すると、女性は全員失職し、多くのご家庭の家計が火の車となりました

ひどい話です

この点について、当時は、北部で活動する中村哲さんが

「女性の一部に対しては、タリバンによるお目こぼしはあった」

タリバンをかばっていたそうです

お目こぼし?完全に性差別意識丸出しの上から目線です

また、10歳前後の女子を誘拐して奴隷にしたり、女子校に自爆テロを仕掛ける集団のお目こぼしって、いったいどんなものだったのでしょう

 

(2021年にタリバンが首都カブールを制圧する前にも、タリバンは女子校を自爆テロで攻撃しました)

 

そういうこともあるので、アフガニスタン女性は、柔道を習うなど、たくましく自衛しています

女子を男子として育てる「バチャ・ポシュ」という風習もあります

カタールのドーハに避難したロボティックチーム(ウイルス対策の空気清浄機などを開発した実績あり)の女子学生たちも

タリバンが私を殺すまで、私は戦い続ける」

と、意気盛んです

Afghan robotics team: Inspirational women begin new chapter - BBC News

 

また、2001年のタリバン時代にはゼロだった女性裁判官が、2021年前半には250人以上となりました

これは、裁判官全体の約10%であり、日本の裁判官の女性割合と同じです

アフガニスタンは20年間で日本の77年間に追いついたのですから、この点での進化は早かったといえます(というか、日本の進化が驚異的に遅く、したがって2022年のジェンダーギャップも147か国中117位ということになっています)

問題は、女性裁判官250人余りのうち約200人が、2021年9月現在でアフガニスタンに取り残されているということです

そのため、次のような脅威にさらされています

タリバンのカブール掌握2日後に出勤禁止

・元受刑者からの脅迫電話

・妊娠8か月の女性裁判官の殺害

・家族全員で、カブール市内を3~4日ごとに引越し

アフガニスタンを脱出すれば、今まで積み上げてきた仕事も家も車もキャリアも敬意もすべて失いますが、正常性バイアスは命の危険を伴います ー 脱出するしかないのでしょう

youtu.be

 

2021年8月、女性裁判官だけでなく、ほとんどの女性たちが出勤を禁じられ、多くのご家庭で所得が減り、物資不足や預金封鎖や物価上昇が追い打ちをかけました

2022年に入り、アフガニスタンの女性たちの生活は厳しさは増しています

しかし、世界はロシアが仕掛けたウクライナでの戦争に注目し、アフガニスタンのことを忘れ始めています

 

6 アフガニスタンの男性

アフガニスタンでは、女性は損で、男性が得をしているのでしょうか

確かにその通りです

そのため、いったんバチャ・ポシュ(女性として生まれたが、男の子のいない家庭では男の子として育てられる)として育てられ始めると、のちに想定外の弟が生まれても、そのままパチャ・ポシュとしての人生を望む人がほとんどです

 

ただ、タリバン政権では、男性のデメリットも大きいのです

・男性のドレスコードも厳しい

 豊かな髭がマスト、髭をそると殴り殺されることもある

・ターバンもマストアイテム

Prices of hijab, turban soar in Afghanistan with Taliban's return - OrissaPOST

 数日で、ターバンは10倍値上がり、一日あたり販売個数は4~5倍に伸びたそうです

 逆に、美容室・理容室では、客が激減しています

・娯楽がことごとく禁止

 特に水商売は論外で、業者だけでなく、旅人を気取っている浮浪者も死刑です

・先頭の最前線に送られる、自爆テロを強要されるなどもありえます

・歯磨き粉が禁止されるなど、生活レベルが1000年以上、退化します

・医薬品は足りず、持病のある人や高齢者は野垂れ死にます

 

そんなわけで、2021年8月半ば~下旬、カブール空港にはアフガニスタン男性が押しかけ、出国を試みました

2021年9月当時、国境付近には老若男女が詰め掛けています

首都カブールでは、男性が抗議デモに参加していますし、女性を車に乗せて抗議デモの場所までエスコートしています

 

youtu.be

 

ただし、地方の老人男性の中には、タリバンによる政権掌握を受け入れる人もいます

1 タリバン政権になり、タリバンがテロを止めた

2 旧政権は欧米かぶれだった

3 旧政権も腐敗していた

4 バチャ・バジ問題

 (タリバンは多くの女子を誘拐し続けているが、アメリカの傀儡である旧政権では少数の男子が人身売買された)

youtu.be

 

 

7 エンターテイナーの受難

今、アフガニスタンのメディアで流れる音楽は、タリバンのテーマソングだけです

エンターテイナーは、民族音楽もコメディアンもポップスターも、殺されたか、速攻で国外退避しました

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

 

8 中東アフリカ地域

欧米が腐敗した中近東・アフリカを損切りする中で、気を付けるべき地域はほかにも数多くあります

参考情報:外務省 海外安全情報(2021年9月9日現在)

海外安全ホームページ: 海外安全情報 地図からの選択 (mofa.go.jp)

レベル1:十分注意

レベル2:不要不急の渡航中止

レベル3:渡航中止勧告

レベル4:退避勧告(退避してください、渡航はやめてください)

 

多くの国の地図が、危険性の高さを示す黄色・オレンジ・赤で塗られています

テロが多発していない国を探すほうが、大変です

そこで、逆に、それほど気を使わなくてもいい地域を一つだけ挙げます

南アフリカです

治安はアメリカ並み、欧米の資産家がリタイア後にのんびり暮らす場所としても人気

テスラのイーロン・マスクは、南アフリカ出身です

これだけ白い地域が広がっている国は、この地域の中では稀有です

南アフリカ共和国危険・スポット・広域情報の危険情報地図(クリックで別ウィンドウが開きます)

 

(まとめ)

平和は簡単に崩れます

グローバル社会の中では、日本にいる一人一人の生活にも影響するので、事前準備が大事なのだと思います

それにしても、イスラムの教えによればイスラム教徒同士で助け合うものと伺っていますが、ほかのイスラム国家は何をしているのでしょうか