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弁護士のリタイアメントと所得の確保 (8)譲渡所得

譲渡所得とは

・土地、建物、株式、貴金属、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによる所得

・地上権設定による所得

等で、事業所得ではないものです

 

対象となる財産の種類、所有の目的、所有年数などにより、控除枠や計算方法が変わります

 

野村証券

https://www.nomuraholdings.com/jp/investor/shareholders/tax/

国税庁

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/jouto.htm

 

最近、日本でも、個人の弁護士事務所の事業承継が語られるようになりました

また、弁護士法人は、日本では前例は聞かないのですが、合併などの手法で事業の承継が可能です

 

【個人事務所の譲渡側の課税関係】

1 原則:譲渡の対価は、譲渡所得等ではなく事業所得

2 「客員弁護士」として譲渡後に遂行する事件処理の対価を受け取るならば給与所得または事業所得、もっとも取引実態として譲渡事業の対価の分割払いであれば事業所得とされうる

 

【法人合併の際の課税関係】

1 適格合併:一切の課税関係が生じない

2 不適格合併:消滅弁護士法人で含み損益の計算が行われ、課税が行われる - 税額が多額になる傾向がある(循環計算)

 

儲かっている事業を大手企業に売却してアーリーリタイアメントというのは、イギリスでは100年以上前に、アメリカでも20年位前にはデフォルトで、弁護士事務所の事業譲渡もしばしばあります

 

益田孝「自叙益田孝翁伝」

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ネックは、将来債権(報酬債権)のvaluationが非常に難しいことです

https://www.olmsteadassoc.com/resource-center/succession-getting-started/

https://abovethelaw.com/2019/02/every-lawyer-should-have-an-exit-strategy/

 

これに対して、「客員弁護士」であれば、細かいvaluationをせずに契約できそうです

育児・介護・留学などにより、リタイアには早いが仕事量を調整したい先生方にも広がりそうです

 

気になるのは2点

1 承継に値する優良な経営状態の事務所がどの程度あるのか、またそのような事務所を譲り渡したい弁護士がいるかどうか

2 「客員弁護士」方式も、税務上、特に譲り受け側で、valuationは重要な論点になる